こんにちは。

松山友佳子です。

 

今日は元格闘家の婚活話をさせて頂きます。

 

このような職業の方を扱うのは当相談所でも稀なケースです。

彼との出会いは、男性3名が突然にアポなしでお見えになったことから始まります。

 

彼の師匠とか、先生と呼ばれる方と、当のご本人と、後輩と言われている方との、

いかにもむさ苦しいというか、物々しいというか、カウンセラーの私と男性3対女性1の面談となりました。

 

初めは、先生のFさんに対する独り身の頼りなさに的が絞られて語られましたが、

肝心な当本人は、物静かで、男らしく、先生の問いかけに対しては実に素直に返答をする。

 

先生には反論できない押し付けられ感があってのご来社と感じましたが、

結婚願望が全くないという感じでもなさそうでした。

 

彼は日常的にジムで、元プロの格闘家として鍛錬しながら、

夜は格闘技ジムにてキッズクラスの指導を任されて、精魂尽くしておりました。

 

このような世界に生きる人は、私も詳しくは分かりませんが、本来はファンが多いようで、

結婚活動を始めなくても十分にご自分でお相手を見つけることがお出来になるようです。

 

3人でのこそこそ話を耳にしていますと、どうやら、先生には一切逆らえなく絶対的な存在のようでした。

 

周りに特に好意を寄せている女性がいらっしゃらないことで、先生は、

私に「彼にぴったり合いそうな方をご紹介して下さい!」と話が進んで行き、

彼も咄嗟のことですので、あまり当てにはしていないが、場当たり的な依頼のご挨拶を受けました。

 

アスリートは健康管理が一番大切ですよね。

特に食の管理、毎日のことで、健康の源ですから。

 

しっかり者で家計を切り盛り出来、なおかつ管理栄養士?整体師? の資格をお持ちの女性が相応しいのではと一瞬脳裏をよぎりました。

 

そこで、Fさんにタイプの女性を伺ったところ、

明るく、可愛いに越したことはないけど・・・といやに謙遜的なご要望でした。

(普通は、ご自分のことはさておき、希望条件をいろいろと述べるものですが)

 

すると横から先生の一声、

 

「芯のしっかりした方が良いねぇ」

 

そこは私と一致しました。

彼は強いがどこか頼りなさみたいなものを感じるんですね。

 

 

日を改めて、いよいよFさんの婚活が始まりました。

 

ここだけの話ですが、Fさんは一度か二度のお見合いで、結婚相手が決まるものと思い込んでいたかのようで、

三度目の方とご縁がなかった際に、既にモードが【落込み&諦め】に代わっておりました。

 

婚活者の中には50回、100回とお見合しても、

次はもっと自分にぴったりの人がいるんじゃないかとか、もっと素敵な方がいるんじゃないかとか

【もっともっと病】にかかる人が多いのですよ。

 

それからすると、彼の気持ちは意外なものでした。

 

 

さぁ~大変です。

先生からは深々と頼みのご挨拶を受けたのに、肝心のご本人がこれでは

大変と思いましたが、こちらも嘆いている暇は全くなかったのです。

 

少し時間は要しましたが、先生とFさんの希望と+カウンセラーとしての主観を交えながら、

(推薦は本人の希望がないと出来ませんので、Fさんからは承諾を得たのち)

ネットワークを使い、合いそうな方をかたっぱしから探しだしました。

 

そしてこれが最後の切り札と思い、「私の狙い通り」の女性を見つけ出し、推薦しました。

 

どんな女性ですかって?

 

とびっきり明るくて、笑顔にあどけさの残る可愛い女性です。

仕事は医療関係者です。

直接患者さんとのふれあいの中から身に付いた笑顔だったり、気遣いだったり、

優しい言葉を投げかけてくれたり、彼より5歳年下ですが、見た目より、なおかつFさんよりも、ずーっとしっかりものでした。

 

彼も3度のお見合いとも、お相手からのお断りだったり、両者でのお断りだっため・・・

また次のお見合いもうまくいかないだろうと自信を無くして、落ち込んでおりましたので、

一旦気持ちを【初期化】して頂くように話しました。

 

気持ちがマイナスでいると、話の最後がマイナスで着地する。

だから女性はこの人といても楽しくないと思ってしまう。

また彼と会いたいとは思わないんですよ。

 

急に決まった推薦のお見合いでしたので、

実を言うとFさんにはお相手女性のプロフィールが手元に届くのがお見合い日までに間に合わなかったので、口頭だけの説明で、もちろんお顔も内容も細かく分からずにお見合いに臨んだのでした。

 

Fさんの内心はハラハラ、ドキドキだったに違いありません。

私も同じ気持ちでした。

 

何故かって?

 

お見合いの出来、不出来はある程度情報収集で決まるんですよ。

事前に相手のプロフィールを読んでいるか?

そこには、相手と楽しく会話が出来るヒントが落ちているからです。

趣味とか、仕事とか、家庭環境とか、等々

 

ところが案ずるには及びませんでした。

 

あの何組ものお見合いの待ち合わせ人や、宿泊客や予約客でごった返しているホテルのフロント前で、

私が口頭で説明しただけの身長とお顔の感じから、彼女を特定したのです。

女性の方も直ぐに気付いたようでした。

 

正に運命の出会いだったようです。

 

Fさんから「お会いすることが出来ました」と直ぐに電話が入りました。

その声色はとても嬉しそうでした。

 

お見合後、お二人から、直ぐに【交際希望】の意思がでまして、お付き合いする運びになったのです。

このようなケースはあまりないんですよ。

 

たとえ両者が【交際希望】になったとしても

『可もなく、不可もなく』と言うお見合い結果で、

取り敢えず【交際希望】にしておいて、もう一度お会いしてみてから判断しようかなぁ。

くらいの気持ちがほとんどです。

 

このケースの場合は、出会えてものの10分~15分くらいお話ししただけで、

恐らく二人共好感を持って、またお会いしたいと思ったに違いありません。

 

 

お二人共シフト制のお休みで、休日は合わせられたようでした。

こういうところからもご縁て感じますね。

 

さぁ~ 恋愛の始まりです。

時を追うごとに短期間でドンドン好きになっていったようですよ。

 

彼女曰く、彼は「君を全力で守る」と言ったそうで、

彼女も「暖かい家庭を築いていきたい」と言ったとか。

 

たった三度のお見合いで、結婚をあきらめていたFさんでしたが、彼も例外なく一年以内に婚活を卒業されました。

 

仲人をしていて最高に幸せを感じるのは、こうして会員が結婚を決めて退会していく瞬間です。

 

彼の言動から、私に対してでも、(何度も何度も頭を深々と下げられ感謝の気持ちを伝えて下さいました)

本当の強い人は人にこれほどまでに優しくなれるのだなぁ~とつくづく感じました。

 

ここで私がFさんにアドバイスしたことはたった一言。

 

気持ちがマイナスでいると、話の最後がマイナスで着地する。

だから女性はこの人といても楽しくないと思ってしまう。

また彼と会いたいとは思わないんですよ。

 

Fさんは見事に初期化出来た素直な男性でした。

 

お二人とも本当におめでとう!

――松山 友佳子